2015年10月20日
category : 福耳通信 @三宅 真弥年末調整により生命保険料控除を受けるには、10月下旬頃に保険会社等から各従業員に届いた保険料控除証明書等が必要です。
こうした書類をもとに保険料控除申告書を作成しますが、配偶者特別控除申告書も含め間違いが見受けられますので注意を促しましょう。
「生命保険料控除」の注意点
保険料控除申告書のうち「生命保険料控除」の記入間違いがしばしば見受けられます。
以下の点に注意してください。
注意点1:送られた「控除証明書」等を紛失しないように注意を促しているか?
生命保険や地震保険等の保険料控除を受けるには、保険会社等から送られてきた保険料の控除証明書の原本「保険料控除証明書」を添付しなければなりません。コピーは不可となっていますので、送られてきた控除証明書等をなくさないように従業員に注意喚起しましょう。
<控除証明書等を紛失したら?>
もし紛失したときは、保険会社等に連絡し、再発行してもらいましょう。
注意点2:生命保険の種類と新旧区分が正しいかをチェックしたか?
生命保険料控除には「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3種類がありますが、例えば「介護医療保険料」なのに「一般の生命保険料」に記入しているといった間違いがあります。控除証明書に記載された「保険の種類」を確認し、正確に記入してもらいます。
また、「新・旧の区分」欄については、控除証明書の内容をよく確認して、「新」または「旧」のいずれかに「○」を必ず付けてもらいます。
※平成24年1月1日以後締結のものが新契約で、同23年12月31日以前締結のものが旧契約となります。
注意点3:保険金等の受取人の氏名や続柄などが記載されているか?
「保険等の契約者の氏名」だけでなく、「保険金等の受取人」の「氏名」及び「続柄」なども漏れなく記載してもらいます。
※生命保険を契約したのか親族等であっても、本人が保険料を負担し、本人または配偶者や親族が受取人である場合は、本人の保険料控除の対象になります。
注意点4:「保険料等の金額」欄には1年間に支払った金額が記載され、正確に控除額が計算されているか?
保険料控除申告書には「本年中に支払った保険料等の金額」となっています。したがって本年1月から12月までの1年間に支払った保険料等の金額から分配を受けた剰余金等を差し引いた金額を記載します。
そしてその金額をもとに生命保険料控除額を計算しますが、計算式ⅠまたはⅡや控除の最高額などがあり複雑ですので、間違いないように正確に計算し記入してもらいましょう。
<控除証明書の金額に要注意!>
控除証明書の証明金額については、保険会社によって表現が多少異なります。
例えば、証明額が「平成27年9月分までの保険料払込額」などとなっており、「参考」などとして、平成27年12月分まで支払ったときの申告額が記載されている場合もありますが、9月分までではなく12月分までの金額を記載します。
「配偶者特別控除申告書」の注意点
配偶者特別控除申告書(生命保険料控除申告書との兼用用紙)については、以下の点に注意してください。
注意点:「扶養控除等(異動)申告書」に記載があるのに「配偶者特別控除申告書」に二重記載していないか?
例えば、パート収入のみの配偶者の年間収入が103万円以下の場合は「扶養控除等(異動)申告書」で配偶者控除を受けることができ、103万円超141万円未満の場合は「配偶者特別控除申告書」で配偶者特別控除を受けることができます。両方に記載してしまうミスが散見されます。二重適用はできないので注意しましょう。
※配偶者の合計所得金額には、保険の満期払戻金や資産の譲渡所得なども含めます。
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三宅 真弥
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