2015年11月10日
category : 福耳通信 @三宅 真弥平成27年ももうすぐ終わりです。今年も、景気回復をなかなか実感できないという企業も少なくないのではないでしょうか。自社の平成27年の経営はどうだったでしょうか。売上や利益の中身を取引先別や商品別に点検することで、来年の目標や行動を考えるヒントが得られます。
売上高は、前期と比べてどうでしょうか。
「増加した」「減少した」「あまり変わらない」でしょうか。
売上高の金額は、前期とそれほど変わらないように見えても、売上の中身を取引先別や商品別などで分析してみると、社長が描いていたイメージとの違いがあったり、これまでにない変化に気づくことがあります。
1.売上を取引先別にチェックする
売上を取引先別にチェックしてみましょう。例えば、これまで取引が少なかった取引先の売上が増えていたり、反対に売上が減ってきている取引先がある、といった変化はないでしょうか。
<取引先別の売上に変化はないか?>
・売上高が(増えている・減っている)取引先がある。
・大口や主要な取引先の売上高が(増えている・減っている)。
・取引が少なかった取引先の売上が増えてきている。
・新規開拓先の売上が増えてきている。
・新規顧客が(増えている・増えていない)。
もし、主要な取引先の売上が著しく下がっている、あるいは売上が顕著に増加している取引先があれば、その理由は何かを探ってみましょう。
例えば、理由として、次のようなことは考えられないでしょうか。
<取引先別に見た売上増減の理由の例>
いずれにしろ、売上の増減の理由を検討することで、次の打ち手が決まってきます。
2.売上を商品別にチェックする
売上高は、全ての業種を通して、「販売単価×販売数量」の積み上げにほかなりません。売上高を高めるためには、販売単価を上げるか、販売数量を増やす、しかありません。
その前提として、売上を商品別、あるいはサービス別にチェックしてみましょう。
例えば、売れ筋商品の新旧交代があったり、意外な商品が伸びているといったことがあるかもしれません。
<商品別の売上に変化はないか?>
・主力商品の売上が(増えている・減っている)。
・売れ筋商品の価格、性能、品質が変わってきている。
・新商品が(売れている・売れていない)
・これまであまり売れていなかった商品が売れ始めている。
・価格を下げても売れていない商品がある。
・価格を上げても売れている製品がある。
・限界利益率の高い商品が売れている。
・比較的(低価格・高価格)の商品が(売れている・売れていない)
チェックした結果、ある商品の売上にこれまでとは異なる顕著な増加や減少があるならば、その理由は何かを分析します。
例えば、次のようなことはないでしょうか。
<商品別に見た売上増減の理由の例>
3.限界利益率をチェックする
限界利益率とは、売上高から変動費を差し引いた利益をいい、限界利益を売上高で割った値を限界利益率といいます。
売上高が増加したり横ばいであっても、限界利益率が低くなれば、利益が減少する場合があります。
反対に、限界利益率が高くなれば、売上が減少しても利益が増加する場合もあります。限界利益率を高めることは大変重要です。限界利益率が低下している場合、改善のための具体策が打てないか、検討してみましょう。
<限界利益率改善のヒントはないか?>
・比較的競争力がある商品の値上げやコストダウンができないか?
・値引販売を減らせないか?
・原材料等の値上がりを価格転嫁できないか?
・外注を内製に切り替えられないか?
・不良品やロスの発生を改善できないか?
・不採算な事業部門の見直しができないか?
・不採算商品の販売の見直しができないか?
・限界利益率の高い商品の販売を増やせないか?
・限界利益率の低い商品の販売を減らせないか?
4.3月決算企業は、まだ挽回できる
12月決算企業であれば、売上や利益の変化の要因分析をしっかり行い、来年の経営戦略や具体的な目標設定(経営計画)に活かしましょう。
3月決算企業であれば、決算の着地点を予想し、厳しい予想であれば、具体的な改善策を立てて、実行しましょう。まだ3か月あります。目標達成に向けて頑張りましょう。
※取引先別などの売上をタイムリーにチェックするには、FX2などの自計化システムにおいて、取引先別管理を行う体制を整えれば可能です。
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三宅 真弥
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